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島根大学附属図書館のブログ

島根大学図書館のサービスや催し、身近な出来事などについて、図書館スタッフが写真と共にご紹介します。 

江戸力・ワークショップ(2) 能を知る集い―奈良絵本を読む―を開催【出雲文化活用プロジェクト】

 公益財団法人手銭記念館と本学山陰研究センター・附属図書館が連携して実施している出雲文化活用プロジェクトは、特別企画展「江戸力―手銭家蔵書から見る出雲の文芸―」を開催中です。連続開催している関連イベントの一つとして、去る平成26年11月6日、手錢記念館第二展示室を会場に、ワークショップ「大社 能を知る集い」を行いました。

 

 前半部分で、能の基礎知識について解説していただき、参加者が笑いや泣き方などを実際に演じてみました。能と狂言は同じルーツを持ちながら、死者や怨霊、神など人ではない者が主人公である能と、生きている人々の喜怒哀楽を主題とする狂言に題材が分かれていったことや、能・狂言で演じられるのはいずれも人の心のありようであり表裏一体のものであるとして、番組では必ず両方が演じられること、そして笑いや怒り、泣き方などさまざまな感情表現の違い、能管など囃子(はやし 笛、小鼓、大鼓で構成される)の役割など、実際に能を見てみたくなるようなひと味違った解説でした。
 

 後半は、いよいよ手錢記念館蔵の奈良絵本「くまののほんち」(手錢本)をスクリーンに映しながら、散らし書きや話の盛り上がりの部分を、参加者の皆さんと共に読んでいきました。時間の関係で前半のみとなり、後半は駆け足でご紹介するのみとなったのが残念です。


 手錢本「くまののほんち」は、ドラマチックな内容とともに多様な散らし書きが特徴です。登場人物の気持ちの高まるところや揺れるところに散らし書きがおおく用いられ、感情をこめやすくなっていること、文章自体が非常に調子よく能のせりふのような読み方、謡い方に合っていることなど、今回、音読をすることで新たな発見がありました。この本の成立や使われ方について、今後より詳しい調査が必要だと考えさせられる思わぬ収穫のあるワークショップでした。

                      (手銭記念館学芸員 佐々木杏里

講師 安田登 能楽下掛宝生流ワキ方

   槻宅聡 能楽森田流笛方
   奥津健太郎 能楽和泉流狂言方

 

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