島根大学附属図書館のブログ

島根大学図書館のサービスや催し、身近な出来事などについて、図書館スタッフが写真と共にご紹介します。 

花森安治『校友会雑誌』各地巡回中(今は高岡市!)

突然ですが、これはどこの写真でしょうか?そして、写っているのは何でしょうか? 

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これは、富山県高岡市美術館花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼』(会期:6月16日~7月30日)の展示風景です(許可をいただいて掲載しています)。写っているのは当館の所蔵資料。旧制松江高等学校『校友会雑誌』18号、19号、20号、21号です。この展示は、雑誌『暮しの手帖』の表紙原画やカットなどを中心に編集者・花森安治の仕事をたどる企画です。今年2月に世田谷美術館で始まり、愛知県の碧南市藤井達吉現代美術館での巡回展を経て、今回は高岡市へ。秋には岩手県立美術館へ巡回の予定です。

昨年度この『校友会雑誌』は「花森安治が編集した雑誌」として、初夏の頃からたくさんのお問い合わせをいただき、色々な学びや出会いがあったように思います。

shimadai-lib.hatenablog.jp今回の企画展についてもこんなことがありました。

◎巡回展への参加                               今回の展示は、約一年をかけて東京→愛知→富山→岩手と巡回をします。当館の所蔵資料で、こういう風に各地を廻ったものは(おそらく)初めてではないかと思います。『校友会雑誌』にとっても、発行後80年にして初の長旅です。          ◎多くの方に原資料を見ていただくこと                     当たり前のことかもしれませんが、巡回展を通して、多くの方に「現物を見ていただくこと」ができました。高岡市美術館では、開会から二週間で1500人ほどの来館者があったそうです。近年、当館の資料はデジタル化が進み、刊行物への掲載、テレビ放映などに画像データを提供させていただく機会が増えました。そうした画像データの提供と同じく、原資料を見ていただく機会も大事にしていきたいと思います。        ◎所蔵資料の意味を知る                            展示を通じて新たに得る情報もあります。今回の場合、『校友会雑誌』が花森安治の編集した雑誌のうち現存する最初のものであることや、花森の幼少期に関する資料が少なく、当館や大学にある学生時代(旧制松江高校)の資料が重要であることを知りました。また、そういう貴重資料であると思うと、あらためて資料保存機関としての仕事の大切さを意識しました。 

そんなわけで、高岡市美術館、岩手県立美術館でも多くの方に見ていただければ(…そしてできれば、島根大学や附属図書館に興味を持っていただけると…)うれしいです。ちなみに、『校友会雑誌』の館内保管場所は、温湿度管理の効いた貴重資料室です。この部屋、蒸し暑い季節には人間にとっても快適で、昨年は『校友会雑誌』の出納に何度も入室し、涼ませてもらったことが思い出されるこの頃です。       (tnk)