2019年10月31日(木) 14:00~15:00に附属図書館本館において開催中(10/29-11/13)の企画展示「大森文庫からみた華岡流医術とその地方伝搬」のギャラリートークを開催しました。
今回の展示会の監修をしていただいた公益財団法人いづも財団事務局次長(元島根大学医学部特任教授)の梶谷光弘先生に、展示史料とパネルの解説をしていただきました。
医学図書館収蔵の「大森文庫」は、1804年、全身麻酔による乳癌手術を成功させた華岡青洲一門に三代にわたって学び、地元母里藩大塚(現・島根県安来市)で開業した大森家の旧蔵史料で、古医書610冊、掛軸・書付等15点からなります。これらは、まとまった著述を残さなかった華岡流医術・薬方に係る史料群というだけでなく、華岡流医術の地方伝播と医学教育、地域医療を内容とする史料としても貴重なものです。
中でも華岡青洲の医学塾「春林軒」での修業中に記した日記「南遊雑記」や、「奇患並大患図」からは、華岡家の実情やそこで学んだ華岡流医術の神髄が把握できます。
他に、華岡家秘書と言われている、「春林軒膏方便覧」「青洲先生金瘡口授」「青洲先生医談」などの筆写本があります。
【解説をされる梶谷先生】
梶谷先生の解説から、江戸時代後期の医師たちが「患者を治したい」という強い意志のもと、精力的かつ真摯な態度で医学を学んでいることが伝わってきました。それは間近で見ている医学部の医師・学生の姿とも重なります。
また、10月はピンクリボン月間でもありました。この展示会がきっかけとなり、乳がんのこと、患者さんやそのご家族への理解が深まることを願っています。
「大森文庫」史料の一部は島根大学附属図書館デジタルアーカイブ で、閲覧・ダウンロードできますので、どうぞご利用ください。
【展示会】
日時:2019年10月29日(火)~11月13日(水)
月-金:8:30~21:30 土・日・祝日:10:00~17:30
会場:島根大学附属図書館本館(松江キャンパス)1階展示室
(Yam)