松江開府400年祭の記念イベントとして、3館(松江市立図書館、島根県立図書館、島根大学附属図書館)合同企画による「アメリカのラフカディオ」シンポジウムが10月25日(土)、松江市総合文化センター(プラバホール)で開催され、あわせて企画展示がスタートしました(企画展示は11月2日まで)
この企画はラフカディオ・ハーンの形成期ともいうべき、ハーンのアメリカ時代の足跡をシンポジウムと企画展示でたどろうとするものです。シンポジウムでは、熊本大学の西川盛雄先生による基調講演に続き、新進気鋭の若手研究者、北九州市立大学のR.S.ウィリアムソン先生と一橋大学大学院博士課程の中川智視先生のお二方による講演と、島根大学の長岡真吾先生の司会によるパネルディスカッションが行われました。また、ハーンの曾孫にあたる島根県立大学短期大学部の小泉凡先生により、アメリカ時代のハーンの足跡をたどる写真解説と、ハーンがアメリカにいた頃の音楽のピアノ演奏が披露されました。
会場につめかけた100名近い参加者は、ラフカディオ・ハーンの新たな側面を掘り下げる企画に、「今まで知らなかったハーンの新たな姿がうかがい知れて大変勉強になった」「小泉先生のピアノ演奏は心温まるものだった」と、大好評でした。
シンポジウムに続いて、松浦正敬松江市長を来賓にお迎えして交流会が開かれ、参加者は時のたつのを忘れてハーンの魅力を語り合いました。
<プログラム>
■基調講演「ラフカディオ・ハーンのアメリカ時代 ~クレオール俚諺集『ゴンボ・ゼーブ』のこと~」 熊本大学 西川盛雄
■パネルディスカッション
司会:島根大学 長岡真吾
講演:
○「弱者へのまなざし ~シンシナティのラフカディオ・ハーン~」 北九州市立大学 ロジャー・S・ウィリアムソン
○「世紀末の激変のはざまで ~『オズの魔法使い』とラフカディオ・ハーン~」 一橋大学大学院博士課程 中川智視
■解説と演奏
○写真解説 「ハーンのいた風景 ~シンシナティ・ニューオリンズ・マルティニーク~」
○ピアノ演奏「ハーンが聴いたニューオリンズの音」 島根県立大学短期大学部 小泉凡