10月25日(火)から10月30日(日)まで、「河本家住宅」保存会と当館の共催で、企画展を開催しています。会場は「まなびタウンとうはく」( 鳥取県東伯郡琴浦町徳万266-5)、JR山陰本線「浦安駅」(JR米子駅から約30分)直結です。
この企画は、10月30日(日)に開催する「河本家稽古有文館シンポジウムー古典籍発見の軌跡とその展望ー」の関連企画です。
http://www.lib.shimane-u.ac.jp/menu2016/new_view.asp?disp=2&id=1539
というわけで、今回の展示資料は河本家所蔵の古典籍なのですが…その前に。 河本家は、江戸時代に代々大庄屋を勤めた家で、江戸時代末期から古典籍収集が進み、明治以後は館号を「稽古有文館」と称しました。現在も多くの古文書や古典籍が保存されています。島根大学附属図書館では、河本家住宅保存会と共同で、河本家所蔵古典籍のデジタル化と公開事業を進めています。また「河本家住宅」は、330年近く前に建築された「主屋」を中心に国の重要文化財指定を受けており、「河本家住宅保存会」によって、春と秋に公開されています。河本家住宅
今回の企画展では、シンポジウムで扱う和歌関係の注釈本や歌合の記録、江戸時代の実録読本、軍記物語などのほか、有職故実の資料を展示しています。
展示会場
松平綱隆 私撰集「山下水」 有職故実の資料「礼儀類典」
この中には、松江に関わる資料があります。 『山下水』は、松江藩(松平家)第二代藩主・松平綱隆の私撰和歌集です。美しい巻子仕立てで、綱隆側室・養法院による筆写本です。「山下水」という題名は、古今和歌集の序文から採られた言葉だそうです。
そのほか、珍しい資料も展示しています。 『礼儀類典』は、朝廷の行事記録を集めたもので、徳川光圀が編纂を命じた類書です。今回は、彩色の施された「図絵編」を展示しています。河本家には、これを含む全515巻が揃っており、現存する写本として貴重だそうです。また、大庄屋が所蔵しているという点でも珍しいということです。
鳥取県といえば、10月21日に発生した地震の影響を心配される方も多いかもしれません。琴浦町は、道路や街並みなどには大きな影響は見られませんでした。また、会場へのアクセスにも影響は出ていないようです。 ただし、企画展示とシンポジウムの会場が次のように変更となっています。
・変更前 企画展:4階 第1展示室、シンポジウム:4階多目的ホール
・変更後 企画展:5階 第1展示室、シンポジウム:4階研修室
4階に鳥取県の防災本部が設置されたための変更です。会場でも案内などを出しておりますので、よろしくお願いします。
[tnk]