3月9日(金)、本館のラーニングコモンズで、図書館が所蔵・提供している資料を活用してウィキペディアの記事を作成・編集する「ウィキペディアタウン」の研修会を開催しました。
当日は、本学の図書館職員の他、県内の大学、公共図書館などから約15名が参加し、遠くは隠岐諸島の西ノ島町からもお越しいただきました。
ウィキペディアは、皆さんご存知ですよね。誰でも編集に参加できるインターネット上の百科事典です。匿名での記事編集が可能であることなどから、掲載されている情報の信頼性が問題視されることもありますが、学生が最初に参照する可能性が高い情報源として、大学教育の場においても無視しえないものとなっています。図書館職員にとっても、レファレンス業務等で参照する機会は少なくありません。
一方、「ウィキペディアタウン」という言葉は聞いたことがない方が多いかもしれません。簡単にいうと、その街にある名所や旧跡などの情報をウィキペディアの記事として作成する住民参加型のイベントです。参加を通じて、地域の魅力を再発見する新たな機会となることが期待されるほか、ウィキペディアの記事編集にあたって確かな情報源を手軽に利用できる図書館などを会場にする場合も多く、図書館資料の活用という面からも注目を集めているものです。この取組みは、2017年のLibrary of the year優秀賞にも選出されています。
今回の研修は、県内の図書館職員や本学教員を主たる対象として、ウィキペディアの記事の作成・編集について理解を深めてもらうとともに、大学での教育活動への活用や公共図書館での同種のイベント開催に向けたヒントを得てもらうことを目的として開催したものです。(企画趣旨の詳細は、図書館HPの案内資料をご参照ください。)
まず午前の部では、全国各地のウィキペディアタウン等でご活躍のオープンデータ京都実践会のメンバーから、ウィキペディアの概要や編集の基礎知識、図書館でウィキペディアタウンを行うことの意義や効果などを講義いただきました。お昼の休憩時間には、編集テーマに関連する図書館資料の案内を含めた館内ツアーも実施しました。
そして、いよいよ午後からは、本学で準備したテーマ(一部参加者の持ち込みあり)をもとにグループに分かれて記事を作成・編集の開始です。テーマは、本学や島根県にゆかりのある教育者や文学者、近隣の史跡等が中心で、参加者は図書館資料を読みながら、ノートPCを使って記事を作成していきます。
はじめてウィキペディアを編集するという参加者がほとんどだったため、ウィキペディアの編集記法に苦労しながらも、グループで和気あいあいと、楽しみながら作業している様子が多く見られました。それでも実習時間も終盤になると、なんとか記事を形にしなければと無言でもくもくとキーボードを打ち込む音が会場に響きます。かと思うと、下書きのつもりが誤って記事を公開してしまい、即座に日本(?)のどこかのウィキペディアンから「出典がないよ」と指摘され悲鳴を上げる参加者も・・・。
実習時間の後は、参加者から作成した記事の紹介と感想を述べてもらいました。資料の扱いに長けた図書館職員もいつもと違う脳みそを使ってお疲れのご様子・・・。それでも、普段使う立場から眺めることの多いウィキペディアを、実際の図書館資料を使って自分が編集するという体験は新鮮だったようで、皆さん充実した表情をしておられました。それぞれの図書館等での活用のヒントも得られたでしょうか?
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
また、講師及び実習をサポートしていただいたオープンデータ京都実践会の皆さま、誠にありがとうございました。
<開催概要>
日時 平成30(2018)年3月9日(金) 10:00~16:00
場所 島根大学附属図書館(本館) 1Fラーニングコモンズ
対象 1)本学の教職員
2)県内の図書館関係者
講師 オープンデータ京都実践会メンバー(是住久美子様、Miya.m様、Miya様)
プログラム概要
1)企画趣旨説明、ウィキペディアタウン及びウィキペディア編集の基礎解説
2)編集テーマの説明・館内ツアー(テーマに関連する資料説明含む)
3)グループまたは個人での記事編集
4)簡単な発表・講評
後援 島根県図書館協会/島根県大学・高専専門学校図書館協議会
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