島根大学附属図書館のブログ

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企画展「足立文庫を通じて見る戦前・戦中・戦後」のギャラリートークを開催しました

 1月6日、島根大学附属図書館(本館)で、企画展「足立文庫を通じて見る戦前・戦中・戦後」のギャラリートークを開催しました。
 足立文庫は、鳥取県境港市の足立恒氏(本学の前身・松江師範学校学校卒業生)から附属図書館が寄贈を受けた、1295点1731冊に及ぶ書籍群です。その中には、江戸時代の和装本と、明治から戦後にかけての洋装本が含まれています。書籍の収集は、足立正本学の前身・松江師範学校卒業生。戦前の山陰における教育者・考古学者。小学校校長、山陰歴史館初代館長、境町長を歴任)と、その子である足立健の親子二代にわたって、行われました。
 ギャラリートークでは、展示を担当した三名( 田中則雄 / 法文学部教授、猪口洋志 / 大学院人文社会科学研究科修士課程、楊媛 / 大学院人文社会科学研究科修士課程 )が、展示の見どころを紹介しました。

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 足立正は江戸時代の教育や文芸、また地域の歴史に関心を持ち、和本の蔵書を進めました。この中には、本人が書写した本(写本)も含まれており、旺盛な知的好奇心が窺われます。こうした蔵書が、足立正の多彩な事績を支えたそうです。そして、息子である足立健の収集本には、書き込みや新聞切り抜きの挟み込みが多数見られ、「活発な読書活動」の様子が伝わってきます。また、なかには一冊の本に、足立正・健の親子二人が書き込みをしているものもあります。読書を楽しむ家風が窺われます。

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  そのほか、今回新たに寄贈を受けた「伊藤博文の書簡」も併せて展示しています。書簡の宛て先は、「足立荘(あだち そう)」という人物で、足立正の弟です。新聞記者(時事新報社 政治部長)、実業家として知られています。書簡は、足立荘が新人記者として日清戦争を取材していた頃に受けとったものです。展示では、「なぜ、新人記者が時の総理大臣から書簡を送られるに至ったのか」という経緯を紹介しています。答えはぜひ、会場でお確かめください。

ギャラリートーク第二回は、1月18日(水)16:30~17:00の開催予定です。    ぜひご来館ください。

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