島根大学附属図書館のブログ

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河本家住宅で講演会が開催されました

 島根大学附属図書館は、鳥取県東伯郡琴浦町の国指定文化財河本家住宅保存会と共同で、河本家「稽古有文館」所蔵古典籍のデジタル化と公開事業を進めています。4月の第一期公開に続き、この度第二期公開として、「稽古有文館」に伝わる「礼儀類典」など貴重な資料を高精細画像閲覧システムADEACから公開しました。

https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/3290515100

 この公開に合わせて、次のとおり関連講演会が行われました。

◇「河本家古典籍のデジタル化と公開」13:30~14:00

   昌子喜信(島根大学附属図書館情報サービス・グループリーダー)

◇「江戸後期の長編小説-『絵本忠臣蔵』をめぐって-」14:00~15:30
   田中則雄(島根大学法文学部教授)

 昌子の講演では、河本家の古典籍のデジタル化と公開事業の概要説明とデモンストレーションを中心に行いました。

 田中教授の講演では、実在した事件を素材とした「実録」を基に作られた『絵本忠臣蔵』を取り上げ、素材となった実録『赤穂精義内侍所』と浄瑠璃仮名手本忠臣蔵』の内容を『絵本中心蔵』の内容と比較しながら、テキストの成り立ちと『絵本忠臣蔵』の意義を明らかにしようとしたもので、大変興味深い内容でした。

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 河本家は、戦国大名尼子氏の譜代の家臣を先祖に持ち、江戸時代を通じて大庄屋などの村役人を勤めました。河本家住宅の主屋は、貞享5年(1688)に建築され、建築年代の明らかな民家としては山陰地方で最古に属する貴重な建物です。2010(平成22)年、その住宅と土蔵等が一括して国の重要文化財に指定されています。

河本家住宅